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9d 「霊障続出!? 心霊写真の恐怖!!」
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調べを進めてみたところ、心霊写真の撮れた場所では、その数日後に何らかの事故が起きていた。
しかし、地縛霊が居るにしては誠人が何も感じない。智弘の追尾能力を使うにも、取っかかりとなる残滓すら残っていないのだ。
とにかく写真の撮れた現場を回る小太郎達。だがそのうちのとある現場で、古橋が事故に巻きこまれてしまう。
幸い軽い怪我で済んだものの、その原因さえ解らずじまい。釈然としないまま、皆は一旦帰宅する。
ただ一人誠人だけは、事故が起きた瞬間にさえ霊の気配がしなかったことに、嫌な予感を抱いていた。
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10d 「どんでん返し!! 写真の霊は何処に!?」
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昼休み、昨日のことを改めて話合う小太郎達三人。誠人が霊の気配を感じなかったことには、やはり引っかかりを覚える。
そんな三人へ、おとめが声をかけてきた。心霊写真の呪いの噂は、徐々に学園内に広まりつつあったのだ。
小太郎がこの事件の調査をしていると思い、心霊写真関係の本を持って来てみたと言うおとめ。その中の一冊に、カメラに細工をしてのインチキ心霊写真のことが書かれたものがあった。
それを見た小太郎は気づく。現場にも写真にも問題がないとすれば、千草のカメラに霊が憑いている可能性はないだろうか。
千草に会いに写真部を訪れる三人。しかしそれより少し前に、千草は何かに操られるように学校を出ていた。
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11d 「千草先輩を救え!! 決戦、呪いのカメラ!!」
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千草を追って学校を飛び出した小太郎達は、無心に写真を撮り続ける彼女を発見する。
写真が撮られる瞬間に、カメラから霊の気配を感じる誠人。やはり霊はカメラに取り憑いていたのだ。
正体を現した霊は、カメラを通して千草の身体を乗っ取り、小太郎達に戦いを挑んでくる。
千草を傷つけるわけにはいかず、辛い戦いを強いられるが、本体であるカメラを破壊することで決着をつけた。
これで心霊写真が撮られることもなくなる。安堵する小太郎達を、物陰から何者かが見つめていた。
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12d 「一件落着!! 新たな仲間を得る時!!」
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心霊写真の事件から数日。新品カメラを持った千草と古橋が、小太郎のもとへやって来る。
今回の一件を解決してくれたことへのお礼と、新しいカメラがいかにいいものかを伝えるために来たのだという。
何故カメラに霊が憑いたかは、千草にもよく解らない。一度、写真部の部員に貸したことがあったが、彼はもう退部してしまったらしい。
それはそれとして、性能も良くなったこのカメラで、これからも小太郎の活躍を収めていきたいと言う千草。写真部は部員も多く噂にも強いから、捜査の役に立つとも主張する。
小太郎は溜息をつくが、千草の勢いは止められそうにないのだった。
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13d 「熱愛発覚!? LOVE☆LETTERの真実!!」
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朝、いつものように登校してきた小太郎は、中等部の女子・深読こよみからラブレターを渡される。
受け取った手紙を読み、放課後に深読と一緒にどこかへ行く小太郎。心中穏やかでないおとめと千草。やってきたアセンションまで合流し、デート(?)を尾行することに。
尾行に夢中になるあまり、道端の古い地蔵を倒してしまった三人は、封印が解けた悪霊に襲われる。危ないところで、騒ぎに気づいた小太郎が割り込み、悪霊を退魔。
そして聞き出した真実は、普及委員会の活動としてラブレター形式だっただけで、中身は普通の手紙だったということ。深読は山田が好きであり、彼と関わった学生に、片っ端から話を聞いて回っていたのだ。
何でもなかった真実に、少女達はほっと胸を撫で下ろした。
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14d 「弟子入り志願!? 霊能者の条件!!」
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悪霊と戦う霊能者になりたい! そんな願いを抱いて、小太郎の前に現れた女子生徒・吉井まり。
彼女は退魔師である小太郎に、弟子入りがしたいと言い出した。当然断る小太郎だが、吉井は諦めず、退魔活動に付きまとう。
見よう見まねの霊能力修行は、逆におかしな霊を呼び寄せる結果となってしまった。取り殺されそうになる吉井を、小太郎が救う。
霊能者になるには、生まれつきの素質がいる。吉井にはその素質があるかもしれないが、それが開花すれば、常に危険と隣り合わせだ。憧れだけでなれるものではない、と吉井を諭す小太郎。
説得に応じた彼女を見送りながら、小太郎は自分が退魔師になると決意した過去のことを思い出す。
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15d 「セピアの思い出!? 小太郎の第一歩!!(前編)」
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少年時代、小太郎の家の隣に引っ越してきた一家があった。
やってきたのは一組の夫婦と、小太郎より少し年下の少年。彼は身体が弱く、引っ越したばかりで友達も少なかった。
隣家ということもあり、少年と遊ぶことの増える小太郎。そんな中、時折少年の周りで幽霊らしきものを見る。
消えろ、と念じながら触れると幽霊を追い払えることと、幽霊が消えると少年の体調が良くなることに気づいた小太郎は、少年を助けるつもりで退魔の力を使うようになる。
そんな日々が続いていたある日、少年が突然倒れたという連絡があった。いつものように霊を追い払えば、と彼に会いに行く小太郎だが、その霊は小太郎の手に負えない強さを持っていた。
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16d 「セピアの思い出!? 小太郎の第一歩!!(後編)」
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自分の力が通じなかったという事実で、小太郎は子供心にショックを受ける。
少年の病状は悪く、このままでは命すら危ういが、今は見ているしか出来ない小太郎。
そのとき、一瞬目を覚ました少年が、いつも守ってくれていたことは知っていた、と小太郎に打ち明ける。そしてそれ以上に、友達になってくれて嬉しかった、ありがとう、と――
小太郎は決意した。退魔の力を磨き、悪霊から人を守れるようになろうと。この少年を救えるように。そして、もうこんな風に苦しむ誰かを見ないで済むように。
思い出に浸っていた小太郎を、彼の名を呼ぶ声が呼び戻す。振り返った先に立っていたのは、共に成長したあの日の少年・相沢誠人であった。