この世界には、3次元+時間軸の4次元に加え、「意識次元」というものが存在する。我々の生きる意識次元を、便宜上「意識次元A」と呼称した場合、我々は通常、意識次元Aに実体と共に所属し、異なる意識次元を認識することはできない。
※認識する自我が異なるので、4次元が同一であっても、意識次元の違いにより風景が変わることもある。意識次元の層はいわばパラレル・ワールドのようなものである。

異なる意識次元からの力の取得を意味する。
広義の霊力とは、力の取得や、異なる意識次元の認識をさす。一般的に使われる霊力とは狭義の霊力をさし、力を取得し行使するところまで揃って霊力とみなされる。

通常は所属する意識次元体からのエネルギーにのみ影響を受けるため、異なる次元体のもの(幽霊)、あるいはその影響を大きく受けているもの(怪異)には、霊力による攻撃しか効かない。
通常、霊能力者は必要な時に何らかの媒体(札、水晶玉、あるいは呪文、特定の行動等)により異なる意識次元に接続、力を取得する。

霊能力者は通常、能動的に異なる意識次元に接続するが、それとは別に異なる意識次元と繋がってしまっている場所、物、人物があり、それを「霊道」と呼ぶ。
霊道は常に異なる意識次元と接続しているため、「霊」と呼ばれるものが意識次元を行き来しやすくなり、また霊力自体も取得しやすくなる傾向がある。
霊道が出来る場所は「三次元+時間の四次元」または「意識体」であり、後者に出来た場合、後者は「意志のある霊道」と称される。

霊道はどのような条件で作られるのか全く未解明で、半ば「道を歩いていたら降ってきたUFOに激突して死ぬ」程度の確率で偶然起きるという解釈が最も近い。意志のある霊道はさらに希で、「道を~UFOに激突して生き延びる」程度の確率で偶然に起きる事象である。

意志のない霊道は全く無差別に霊力の強化を行うが、意志のある霊道は、絶対的ではないものの、自身の持つ霊道への接続許可、接続拒否を任意(あるいは無意識)で行い、付近の霊能力者の霊力を高める能力を持つ。この能力が、意志のある霊道の最大の特徴であり、彼らがブースターとしばしば呼ばれる所以。
また、彼らの多くは異なる意識次元を常時認識し、必然的に吸霊体質、あるいは霊媒体質である。
意志のある霊道である生命体は、吸霊体質による霊障に遭遇することが多く、結果的に短命な傾向が見られる。

異なる意識次元に所属する意識体、あるいは異なる意識次元へと去ったはずの意識体。時として、異なる意識次元を介し、意識体のうちの純意識体のみが同一意識次元に現れる事もある。
最大の特徴は、彼ら自身には実体が存在せず、物理法則にまったく従うことがない。また、当然寿命や死は存在せず、彼らを遠ざける事は除霊、浄霊によってのみ可能となる。

霊の中でも特に、通常の意識次元、あるいは通常の意識次元の意識体、出来事等に対し、何らかの執着や意志を見せるものを「悪霊」と呼ぶ。厳密な定義は存在せず、あくまでも便宜的に呼んでいるケースがほとんど。
彼らの特徴は、通常の意識次元への影響力が大きく、活動も活発なため、その力は通常の霊よりも強力なことが多い。結果的に除霊も難しい。
さらに、霊本体の意志が重要になりがちな浄霊は不可能な場合が多くであり、根本的な解決を図るには、長期間に分けて除霊と浄霊の繰り返しが必要となる。

異なる意識次元からの影響を受け変質した、特異的な意識体。中には誕生時点で影響を受けている、生まれながらの怪異も存在する。
霊とは異なり、概ね実体を所有していることが多いが、その実体は物理法則に従わない事も多い。また、寿命、死の条件等は通常の生命体とは全く異なっている。

退魔、エクソシスムとも。異なる意識次元の力を引き出し、対象に影響することにより、その場から排除すること。消滅はさせないが即効性が高く、効果的な対処法。
対処療法としては確実な方法だが、下手にやると対象の所属元である意識次元とのつながりを絶ち、事態が悪化する危険も伴う。

本来の所属元である意識次元へ帰す事。根本的な解決を図ることが可能。厳密には意識次元を認識することや霊力は必須事項ではなく、条件が揃えば誰にでも出来うるが、その条件は通常不可能条件が重なっているため、実質浄霊は難しい要件。
汎用的な浄霊が出来る能力者はほとんどいないのが実情。